マレーシアあるある

【マレーシア雑記】ついに断交!?マレーシアと北朝鮮との蜜月関係の終焉

2017年2月13日、マレーシア国際空港KILA2で、北朝鮮の第一書記の異母兄金正男氏が殺害されました。
事件の真相はまだ明らかになっておりませんが、マレーシア警察の迅速な対応により、北朝鮮が殺害に関与していた可能性がかなり高いといえます。

一方、北朝鮮は捜査に協力しないばかりか、操作内容やマレーシア政府・警察に対して痛烈な批判を繰り返しており、
両国の関係は一層険悪になりつつあります。

今回は、マレーシアから北朝鮮情勢について最新の情報を共有いたします。

マレーシアのザビド副首相は、外務省に対して関係の見直しに関する選択肢を洗い出すように指示しました。
マレーシア世論は、国交断絶も辞さずと強硬な姿勢を示しており、政府としても最悪の選択肢として国交断絶を視野に入れています。

マレーシアが強硬姿勢をとる背景として、主に以下の2つの要因があります。

  • 金正男氏殺害の操作に非協力的な北朝鮮に圧力をかけるため。
  • 日米に比べ新北朝鮮姿勢が強かった中国が、北朝鮮の石炭輸入姿勢を取るといった厳しい姿勢をとっており、
    国際世論の追い風を武器に外交的に強硬姿勢を示しても、リスクが少ないと当局が判断したため。

また、クアラルンプール(Kuala Lumpur)市内のタマンデサ(Tamandesa)地区にある構想コンドミニアムで、
犯行に使われたと思われるVXに関連する化学物質が押収されました。
そして、北朝鮮大使館の2等書記官が、インドネシア国籍とベトナム国籍の女性を使い、殺害に深く関与した疑いが浮上しております。

それにも関わらず、北朝鮮側は「外交特権」を盾に捜査協力を拒みシラを切り続けており、
マレーシア警察は、殺害に関与したとみられる書記官らに対する逮捕状の請求をはじめとした、
現状よりさらなる強硬策をとっていくとみられております。

さらに、外交官の処遇を定めた「外交関係に関するウィーン条約」には、受け入れ国がペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)と判断した場合、
その外交官の承認を拒否できるとの規定があります。
外交官の承認を拒否した場合、派遣国は事実上の国外追放処分といえる措置を受けることになります。

マレーシア政府としては、強力な国際世論を背景に、当該外交官の承認拒否といった強硬策をとることが予想されます。

その場合、北朝鮮は報復措置を行うことが予想されます。
マレーシアは、北朝鮮間とビザなしで往来することが可能な数少ない国の1つです。
そのビザなし特権が消失する可能性は大いにあると思います。

また、マレーシアはパーム油などを輸出し、炭坑や天然ガスプラントで作業させるために北朝鮮籍の労働者を受け入れています。
それらの貿易関係が失われる可能性があります。

マレーシア戦略国際問題研究所(ISIS)の首席アナリストは、
「マレーシアの貿易全体の中で北朝鮮が占める比重は5万分の1にすぎない」と話しております。
また、「断交時の経済的な衝撃はほとんどないだろう」と予想しております。

さらに、「北朝鮮がマレーシアと疎遠になる場合、ほかの東南アジアの国も相次いで北朝鮮に対して門戸を閉ざす可能性がある」と指摘しており、
今回の北朝鮮の強硬姿勢は、本来友好国であったASEAN諸国から逆に見放される可能性が高いのです。

[参考記事:国交断絶も 北朝鮮に対する非難の声高まる=マレーシア] http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2017/02/22/0300000000AJP20170222002800882.HTML

日本としては、この事件を契機に一層、ASEANの主要国の1つであるマレーシアとの連帯感を強め、相互協力を密にするなど、戦略的な外交をとることでより国益にプラスになっていくと考えれます。