2025年、明けましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
生成AIの台頭により、年初頭からワクワクすることがかなり多いですね。
そこで、今回は去年までのAI市場の動向と、弊社が今年展開する新サービスについてお伝えしたいと思います。
はじめに
2024年は生成AI技術が企業活動に本格的に組み込まれ始めた転換点となりました。ChatGPTやClaude、Google Geminiといった大規模言語モデル(LLM)の進化と、それらを活用したビジネスソリューションの実用化が加速度的に進みました。
当社は2025年、この潮流を捉え、以下の2つの新規サービスを開始いたします:
- 生成AIのビジネス活用に関するトータルソリューション
- ASEAN地域におけるAIデータセンター構築支援サービス
本稿では、これらの新サービス展開の背景となる市場動向と、各サービスの具体的な展開について解説いたします。
生成AI市場の現状と展望
エンタープライズAI市場の急成長
市場調査会社IDCの最新レポートによると、世界のAIソフトウェア市場は2024年に前年比32.1%増の4,100億ドルに達し、2027年までには9,800億ドル規模に成長すると予測されています。特に企業向けの生成AIソリューション市場は、2023年の約400億ドルから2027年には2,500億ドルまで、年平均成長率(CAGR)58.2%で急成長すると分析されています。
また、Gartnerの調査では、2024年までに大企業の75%が生成AIの実証実験を開始し、2025年末までには55%の企業が本格的な実装フェーズに移行すると予測されています。特に注目すべきは、生成AIの導入により平均で30-45%の業務効率化が実現可能とされている点です。
McKinseyのグローバル調査によると、生成AI導入による経済効果は以下の分野で特に顕著とされています:
- カスタマーサービス: 年間2,000-2,700億ドル
- ソフトウェア開発: 年間1,500-2,000億ドル
- マーケティング・営業支援: 年間1,700-2,200億ドル
この成長を牽引しているのが以下の3つの要因です:
- モデルの性能向上と専門化
2024年後半から2025年にかけて、OpenAI、Anthropic、Googleなど主要プレイヤーが次世代モデルを相次いでリリースしました。特筆すべきは、これらのモデルが汎用的な能力を向上させただけでなく、法務、財務、医療などの専門分野に特化したモデルも登場し、より実務的な用途に対応できるようになったことです。 - インフラストラクチャーの整備
主要クラウドプロバイダーがAI特化型インフラを本格展開し、エンタープライズ向けのAIプラットフォームが充実してきました。これにより、企業が自社のニーズに合わせてAIソリューションをカスタマイズしやすい環境が整いつつあります。 - 規制環境の整備
各国でAIガバナンスに関する法整備が進み、特に企業におけるAI活用のガイドラインが明確化されつつあります。これにより、企業がより安心してAIソリューションを導入できる環境が整ってきています。
アジア太平洋地域におけるAIインフラ需要
市場調査会社Mordor Intelligenceによると、アジア太平洋地域のAIインフラ市場は2024年の約450億ドルから2029年には約1,850億ドルまで、年平均成長率32.7%で成長すると予測されています。
さらに、ASEANのデジタルエコノミーに関するGoogle、Temasek、Bainの共同レポート「e-Conomy SEA 2024」によると、同地域のデジタル経済規模は2025年までに1兆ドルを超え、そのうちAI関連インフラへの投資は年間約200億ドル規模に達すると分析されています。
特に注目すべき地域別の投資規模予測(2024-2025):
- シンガポール:年間約45億ドル(データセンター投資中心)
- マレーシア:年間約35億ドル(AIハブ構想関連)
- タイ:年間約30億ドル(Thailand 4.0関連)
- インドネシア:年間約50億ドル(デジタルトランスフォーメーション関連)
特に注目すべき点として:
- タイ政府が「Thailand 4.0」イニシアチブの一環として、AIおよびデジタルインフラへの投資を加速
- マレーシアが「Malaysia Digital Economy Blueprint」に基づき、AIハブとしての地位確立を目指す動き
- シンガポールを中心としたASEAN各国でのデータセンター需要の急増
これらの動きは、地域におけるAIインフラ整備の必要性を示しています。
当社の新サービス展開
1. 生成AIビジネスソリューション
当社の新サービスは、以下の3つの柱で構成されます:
(1) AIユースケースコンサルティング
企業の業務プロセスを詳細に分析し、最適なAI活用方法を提案します。特に:
- 業務効率化可能な領域の特定
- ROI分析と導入計画の策定
- 既存システムとの統合設計
- セキュリティおよびコンプライアンス対応
(2) プロンプトエンジニアリング支援
AIモデルの効果的な活用のための専門的支援を提供します:
- 業務特化型プロンプトの開発
- プロンプトライブラリの構築
- 社内プロンプトエンジニア育成支援
- 継続的な最適化支援
(3) AIインフラストラクチャー構築
企業規模や用途に応じた最適なAIインフラの設計と構築を支援します:
- オンプレミス/クラウド環境の設計
- セキュアなAI実行環境の構築
- スケーラビリティを考慮したアーキテクチャ設計
- 運用保守体制の確立
2. ASEAN AIデータセンター構築支援
タイとマレーシアを中心としたASEAN地域でのAIデータセンター構築支援サービスを展開します:
(1) タイでの展開
「Thailand 4.0」政策に基づくデジタル産業育成の一環として:
- バンコク近郊での大規模AIデータセンター構築支援
- 地場企業とのパートナーシップによる運営支援
- 環境配慮型設計によるグリーンデータセンターの実現
(2) マレーシアでの展開
「Malaysia Digital Economy Blueprint」に沿った展開として:
- クアラルンプール・サイバージャヤ地区でのAIインフラ整備
- 現地IT人材の育成支援
- 国際的なAIハブとしての機能強化支援
今後の展望
Boston Consulting Groupの分析によると、2025年は企業におけるAI活用が「実験段階」から「本格導入期」へと移行する重要な年となり、グローバル企業の約65%が全社的なAI戦略を実行段階に移すと予測されています。さらに、先進的な企業では生成AI導入により、以下の効果が期待されています:
- 従業員一人当たりの生産性:平均25-40%向上
- 新規製品開発期間:平均30-50%短縮
- カスタマーサービスコスト:平均20-35%削減当社は、新サービスを通じて以下の目標達成を目指します:
国内企業のAIトランスフォーメーション支援
- 2025年末までに100社以上への導入支援
- 業界別のベストプラクティス確立
- 継続的な改善モデルの構築
ASEAN地域でのプレゼンス確立
- タイ・マレーシアでの大規模プロジェクト始動
- 現地パートナーネットワークの拡大
- 地域特有のニーズに対応したソリューション開発
技術革新への対応
- 最新AI技術の継続的な研究開発
- グローバルパートナーとの協力関係強化
- 独自ソリューションの開発
おわりに
企業のAI活用は、もはや選択肢ではなく必須の経営課題となっています。当社は、新サービスを通じて、お客様のAIトランスフォーメーションを包括的に支援してまいります。国内市場でのサービス展開とASEAN地域でのインフラ整備支援を両輪として、アジア太平洋地域におけるAIソリューションのリーディングカンパニーを目指してまいります。
なお、本稿で概要を説明した新サービスの詳細については、各サービスの提供体制が整い次第、順次発表させていただく予定です。サービス内容や開始時期など、具体的な情報は各発表時にお知らせいたしますので、ご期待ください。